アタマを磨き、ココロを拓く。

10周年の感謝

本日3月3日、TOPは開校10周年を迎えました。
今春受験した10期生は、TOPが大好きなクラス1の努力家が海外に転校になるなど、大変試練の多い学年でした。それでも麻布をはじめ、皆が自分の行きたい学校へとたどり着けたことはとても大きな歓びでした。

地域での実績も知名度も何もなかったTOPですが、今年で9年連続で御三家・新御三家頂点校に合格することができました。 これも全て、すばらしいお子さん、すばらしいご家庭とのご縁あってのことです。TOPに出逢って下さって、本当にありがとうございました。私たちは10年で共にした全ての合格を、全ての受験を、心から誇りに思っています。

続く11期生12期生13期生たちも期待のお子さんが多く、日々がんばっています。 私たちの情熱は、開校したあの日と変わらず、いや10年の歴史を重ねてさらに盛んになるばかりです。
今後も一度きりの最幸の受験を、TOPは支え続けます。 

2024年3月3日
塾長 大井雄之

塾長のつぶやき#275「12番」

#275「12番」

こんにちは。塾長の大井です。
8期生受験戦記第28回です。

そしてその日がやって来ました。 
この日のことは一生忘れることはないでしょう。 
2月2日。 桜蔭、雙葉の合格発表の日です。 
まだ1日の合否が出ていない彼女たちは 2 月2日にも当然受験に向かいます。私は R さんの豊島岡の応援に、田宮は S さんと K さんの白百合の 応援に行きました。 3 人には、昨日のことは一切考えず、今日の入試に全力で向かうよう激励しました。

Rさんが受ける豊島岡は桜蔭組もJG組も一堂に会する超難関校です。私はRさんの顔を見てその日にアドバイスすることを決めようと思っていましたが、彼女の充実の表情を見ると、足りないものなど何もないと思いました。だから1つだけ言いました。
「技、心、覚悟。チームの和、絆。もうRに足りないものは何もない。だから1つだけ。ねばり強さと書いて得点力と読む。今日は持ってるもの全て出しきってねばり強く戦っておいで。」
Rさんは当を得た顔で「ハイ!」といつもの明るい表情で答えると、強く握手して学校へと向かいました。

同じ時間、SさんとKさんを送り出していた田宮と、例年通り一緒に合格報告を受けよう!とTOPで合流しました。
朝8時に雙葉、14時に桜蔭の合格発表です。
TOPには7:45に着きました。田宮も7:50にはやって来ました。
多くの学校がインターネットでの発表をする中、御三家は学校での掲示発表です。
学校に見に行っているご両親からの連絡を、TOPで、そして2人で待つことが、なんだか合格を引き寄せるような気がしていつもそうしています。
本当に小さかった双子が、TOPで大きくなりながら、ずっとまっすぐ目指して来た合格の瞬間を、田宮と電話で待ちました。
8時になり、いつ電話が鳴るかと構えました。朗報はいつも早く届くので、すぐに来いと願っていました。
でも5分過ぎ、10分が過ぎても電話は鳴りません。
「2人とも受かってるよな?まだかな。」
「いや、絶対来るよ!」
そんなやり取りを2人で何度も交わしました。
ところが30分が経ち、ついには1時間が経過しました。
「来ないな…もしかしたら明暗が分かれたのかな?」
「いや、あれだけ取ってるから、2人ともくる!」
「もう一度出してみようか」
そう言って再現答案を2人でまた精査し、厳しくつけ直したりしました。それでも私たちの基準では合格点でした。
「いや、受かってる!あんだけやったんだ。来ないはずがない!」
「そうだ、2人とも報われていい!それだけのことはやってきた。」
そうやって焦がれる想いで電話を待ちました。

とうとう、9:30になりました。
ご両親からの報告はなく、居ても立っても居られなくなり、電話をかけることにしました。
田宮「かかる?」大井「今鳴ってる。出るかな…」
そしてお父さんが出られました。
「もしもし、あ、先生!お世話になってます。」
「おはようございます。…お二人の結果は出たでしょうか?」
「あ、今手続きに来てます。」
「え、あ、雙葉ですよね?あの、えっと…」
気が逸ってうまく言葉になりません。「あの…」
田宮も食い入るように見つめています。
「えーっと、あの結果は…?」
「あ、受かりました!2人とも」
「え、え?おめでとうございます!!やっったああああ!!!」
「2人とも?2人とも?!やった、大井先生、やったよ!!」
田宮が飛びついて来ました。
受話器を握りしめながら、2人で固く抱擁しました。「やったな、田宮先生!」
「おめでとうございます。やりましたね!」
「ありがとうございます!2人は先生と一緒に合格発表見るつもりでしたけど」
「あ、そうだったんですか!ずっと朗報を待ってたんですよ」
「本当におめでとうございます!」
この日、2人の憧れの学校は、2人の母校になりました。

そして14時。
桜蔭の発表です。ここからはRさんの合格体験記をそのまま記したいと思います。
「先生は出陣式で私の桜蔭の受験番号である12番について話してくれた。『12のうちの1はRだ。そして2はRを支えてくれた多くの人だ』と。ずっと合格に導いてくれた大井先生、田宮先生。誰よりも私を想って愛情を注いでくれた両親。共に苦しい時も戦ってきたKとS。12は特別な番号だった、本当に。
2月1日を迎えた。朝は緊張がありながらも気負ってはいないいい感じだった。桜蔭の坂をのぼり校内の階段をのぼる。メダルはしっかり首にかけてあった。『自分と先生を信じて3年の歴史を桜蔭という天にぶつけてこい』という先生の言葉を心でくり返し、12番の席に座った。
2月2日14時に私はパソコンの画面を(先生たちの見方をまねて)紙でかくしていた。桜蔭の合格発表を見ていた。受験番号の12と生年月日を入れた時のドキドキは一生忘れないだろう。紙をずらしていくと赤い枠が見えた。『合格です。おめでとうございます。』という言葉を見た瞬間が私の受験道で一番幸せだった。」

「R、桜蔭受かった!やったああああああ!!」
「うおお、全員合格だ、やったぞおおおお!!」
電話でRさん桜蔭の合格を知った私たちは、KさんとSさんと一緒に喜びを分かち合いました。そしてTOPに桜蔭合格の報告に来たRさんの姿を、Rさんのお母さんが撮影してくれていました。動画で観ても、全員が第一志望に受かった歓びと、みんなで共にしたものの大きさが溢れていました。
かつて私たちの合格の歓びの勢いに驚いていた彼女たちは、今や私たち以上に歓び、いつしかそれを生み出すまでに大きくなっていました。
その日、私たちは5人でずっと話していました。

全員が第一志望の合格証書を持って5人で撮った写真は、一生の宝物です。
こうして、三姉妹の夢は叶いました。同じ日に、同じ場所で。

2024年10月10日
大井 雄之

 
【過去のつぶやき集】


<2024年>
#269「合否を分けるもの」:2024年1月10日(8期生受験戦記22回)
#270「この子たちと受かる。」:2024年1月30日
#271「あきらめなければ」:2024年3月30日
#272「TOPで待ってるから」:2024年4月30日
#273「TOP最強軍団」:2024年5月20日
#274「その日」:2024年8月15日

<2023年>
#253「共にすること」:2023年2月10日(8期生受験戦記6回)
#254「可愛い子には・・・」:2023年2月25日
#255「先生でなければ」:2023年3月10日
#256「2つのたすき」:2023年3月30日
#257「衝撃の初回」:2023年4月20日(8期生受験戦記10回)
#258「苦手なんてない」:2023年5月10日
#259「逆襲のS」:2023年5月30日
#260「私のアクセル」:2023年6月20日
#261「暗雲」:2023年7月10日
#262「頂点へ」:2023年8月10日(8期生受験戦記15回)
#263「頂点へ②」:2023年9月10日
#264「TOP最強女子」:2023年9月30日
#265「努力の人」:2023年10月15日
#266「必然」:2023年11月5日
#267「ただのモノだけど」:2023年11月30日(8期生受験戦記20回)
#268「物を超えた存在」:2023年12月20日

<2022年>
#240:2022年2月5日(6期生受験戦記25回)
#241:2022年3月5日
#242:2022年4月5日
#243:2022年4月25日
#244:2022年5月25日
#245:2022年6月15日(6期生受験戦記30回)
#246:2022年7月15日
#247:2022年8月15日(6期生受験戦記最終回)
#248「小さなふたり」:2022年10月5日 (8期生受験戦記1回)
#249「原石」:2022年10月25日
#250「それぞれの個」:2022年11月10日
#251「三姉妹のように」:2022年11月25日
#252「才能の集団にあらず」:2022年12月15日(8期生受験戦5回)

<2021年>
#228:2021年3月5日
#229:2021年3月15日
#230:2021年4月5日(6期生受験戦記第15回)
#231:2021年4月25日
#232:2021年5月15日
#233:2021年6月5日
#234:2021年6月25日
#235:2021年10月5日(6期生受験戦記第20回)
#236:2021年10月25日
#237:2021年11月10日
#238:2021年11月25日
#239:2021年12月30日

<2020年>
#207:2020年1月29日

#208:2020年3月16日
#209:2020年6月1日(5期生受験戦記再開)
#210:2020年6月10日
#211:2020年6月20日
#212:2020年6月30日
#特別編:2020年7月1日
#213:2020年7月10日
#214:2020年7月20日
#215:2020年7月30日(5期生受験戦記最終回)
#216:2020年8月25日(6期生受験戦記第1回)
#217:2020年9月5日
#218:2020年9月15日

#219:2020年9月25日
#220:2020年10月5日
#221:2020年10月15日
#222:2020年10月25日
#223:2020年11月15日
#224:2020年11月25日
#225:2020年12月5日(6期生受験戦記第10回)

#226:2020年12月15日
#227:2020年12月25日


<2019年>#194~206

#特別編・前半:2019年2月18日
#特別編・後編:2019年2月25日


<2018年>#174~193
#特別編・前編:2018年10月22日
#特別編・後編:2018年10月29日

<2017年>#136~#173
  
#特別編:2017年12月10日

<2016年>#93~#135

<2015年>#45~#92

<2014年>#1~#44
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